ゼロイチから新規事業を立ち上げ。新卒社員のBizDevとしての軌跡
ラクスル株式会社 ラクスル事業本部 Marketing&Business Supply統括部 エンタープライズ事業部 Designグループ マネージャー
山根 悠暉
Yuki Yamane
大学在学中にRAKSUL社でインターンを経験し、2020年4月に新卒で同社に入社。カスタマーサポートやエンタープライズ事業部での営業職を経験。その後2023年に売上ゼロからデザインサービスを立ち上げ、デザイン領域の責任者に。法人向けデザインサービスの責任者として、サービス企画・マーケ/セールスによる拡販・制作フローの構築・マネジメント・採用などを管掌。事業成長にコミットし、デザイン産業の仕組みを変えようと尽力している。
手段やスキルではなく、インパクトにコミットする。入社の決め手になったラクスルのBizDevのあり方
――山根さんは新卒でRAKSULに入社されていますが、新卒の就職先として選んだ理由を教えてください。
学生時代は、京都大学の薬学部に在籍していました。そのため、友人の多くが製薬会社への就職や研究職を目指していたのですが、私はベンチャー企業を志望しており、最終的に選んだのがRAKSULでした。
――なぜ薬学部に通いながら、ベンチャーを志望されたのですか。
そもそも薬学部を選んだきっかけは、子どものころに母親がある難病を患ってしまったことでした。その病気は、当時の医学では完治は難しいと言われていたのですが、私が高校生の頃にある新薬が開発され、それを処方したところ母親の症状がみるみる良くなっていきました。その時、薬の持つ力に感動し、自分も新薬を作る研究がしたいと考え薬学部に進学しました。
しかし、患者さんの人生を変えるような画期的な新薬の研究に携わることができるのは、一生に一回あるかないか。周りの研究者は研究そのものが楽しいという「好奇心」がモチベーションになっている方も多い中で、「身近な人のためになりたい」かつ「自分の仕事が世の中へどんな価値を提供しているのかを、日々感じながら働きたい」と考える私にとっては、製薬業界での基礎研究は素晴らしいものである一方、より社会やエンドユーザーに近い環境での仕事の方がマッチしているのではないかと考えるようになりました。
そこで、自分の仕事がお客様や社会にどのような影響を与えているかを日々感じることができ、中長期的に社会に大きなインパクトを与えていける環境を探す中で、結果的にベンチャー企業に目を向けることになりました。
――数あるベンチャー企業の中で、なぜラクスルを選んだのでしょうか。
ラクスルにある「BizDev」と呼ばれる職種では「役割や手段に捉われず、社会へのインパクトを生み出す」というミッションがあります。入社を決めた最大の理由は、この「社会にインパクトを出す」という価値観が自分と合致したことでした。さらに、インターンシップや選考プロセスを通じて、社内の雰囲気にも強く惹かれました。皆が顧客価値の創出と成果にまっすぐ向き合っており、社内政治や煩雑な稟議プロセスなどのしがらみがない環境だと実感できたことが、決め手となりました。
まずは自ら200件の商談を。Designグループマネージャーとしての挑戦
――入社後のキャリアパスを教えてください。
新卒として入社してしばらくは、CS(カスタマーサポート)を担当していました。1年目の途中でエンタープライズ事業部(以下、エンプラ事業部)の前身であるCX部に配属になりました。
転機となったのは、3つ上の部長との営業同行です。そこでお客様の生の声を直接聞く機会を得て、CSとは違う気づきがありました。CSでもお客様との会話は多いのですが、「企業がどんな予算を持ち、どういったロジックで意思決定をしているのか」といった現場のリアルは、実際の営業活動を通じて初めて理解できました。この経験が将来の事業開発に活きると確信し、営業職にチャレンジすることを決意しました。
――CSから営業職になり、その後、どのようにして現在のDesignグループマネージャーになられたのですか?
営業を行う中で、新規事業のタネを見つける機会が多くありました。そのタネのひとつが「デザイン」でした。
ラクスルは印刷が安くて早いという価値で、世の中に広がっていきました。しかし、印刷用のデータはお客様にご準備いただき、ラクスルはあくまで印刷配送をするのみ。ラクスルでデザインを制作するというサービスはありませんでした。そのため、デザインのできないお客様は、広告代理店などに企画からデザイン・印刷までを一気通貫で依頼していました。言ってしまえば、ラクスルでデザインをできないがゆえに、お客様を“逃してしまって”いたのです。
つまり、ラクスルがデザインの工程を担当できるようになれば、それまで代理店に発注されていた案件を、ラクスルにもご相談いただけるようになると考えました。
――その過程で見えてきた課題とは、どのようなものでしたか。
たとえば、毎年のサービス紹介パンフレットの更新という課題がありました。多くの企業では、年度表記などの軽微な修正でも外部デザイナーに依頼せざるを得ず、数万円の費用と数日の時間がかかっていました。これは、デザイナーから納品されるデータを編集するには専門的なツールが必要で、社内にデザイナーがいない企業では1文字の修正すらできなかったためです。
また、従来のデザイン発注では、デザイン料を前払いし、その後デザインを受け取るのが一般的でした。これは人件費の観点から当然のことですが、お客様からすると「実際のデザインを確認してから発注したい」「なるべく早くデザイン案を見たい」というニーズがありました。
この課題に対し、ラクスルはブラウザ上で企業側が編集できるシステムを開発しました。これにより、軽微な修正であればお客様自身で修正が可能になり、時間とコストを削減できます。同時に、デザイナーにとっても文字修正といった単純作業から解放され、より創造的な業務に集中できるようになりました。
また、初回商談でお客様の希望をヒアリングし、その場でラフイメージを提示する仕組みも構築中です。これにより、「イメージと違うデザインが納品された」という不満や、デザイナー側の手戻りも防ぐことができます。
このようにさまざまな課題に対して解決できる「仕組み」を提供しています。
Designグループの新規事業が作り出すwinとは
――現在のDesignグループの役割と今後の展望を教えてください。
事業立ち上げから約2年が経ち、先ほどお話した新たな仕組みを用いてデザインから印刷までを一気通貫で担当しており、ありがたいことにお客様からの高いリピート率と高い粗利率を実現することができています。セールスメンバーも3名に増え、制作チームも拡大中です。来期には、事業規模を2倍にすることを目指しています。
一方で、ラクスルには200万人以上のお客様にご登録をいただいておりますが、デザインサービスを利用いただいてるお客様はまだほんの一部。「ラクスルはデザインを依頼できない」と思っているお客様も多いはずです。そのため、デザインサービスの認知度向上が重要な課題です。
デザインは属人化しやすい領域ですが、事業としての持続可能性を考えると、担当者が変わっても同じ成果を出せる仕組みが必要です。そのため、生成AIなど最新技術の活用も検討しながら、グローバルなグラフィックデザイン市場の動向も見据えて事業を展開していきたいと考えています。単に規模を拡大するだけでなく、永続的にお客様に選ばれ続けるサービス・仕組みを作っていくことを大切にしていきたいです。
“仕組みを作るためにまずは現場に入り込み、圧倒的に解像度を高められる人”と働きたい
――山根さんが現在感じているラクスルでのやりがいを教えてください。
業界の仕組みを変える挑戦をさせていただいていることです。ラクスルは「業界の構造的な課題を解決する」ことを重要視しています。その枠組みの中でのトライには難しさもありますが、同時に大きなやりがいと楽しさがあります。
また私はセールスのプレイヤーを経て、事業立ち上げにチャレンジしてきました。セールスの場合、通常は売るものは変えられないので「こういうサービスがあればもっとお客様の課題を解決できるのに…」と、もどかしさを感じることもあるのではないでしょうか。
それに対してラクスルでは、「お客様にとっての価値があり、ラクスルの事業成長に寄与する」のであれば積極的に意見を挙げることができ、また、それを実現するために責任を持って事業をリードする機会も与えられます。さらにラクスルのメンバーは事業成長やお客様への価値提供にストレートに向き合っているので、明確な目標を描き協力を仰ぐことで、共通の目標に向かって周囲の人が力を貸してくれます。「〇〇職なんだから、他の領域に手を出すな」といった制限もありません。良い意味で“任せてもらえる”裁量があり、非常にやりがいを感じながら仕事をしています。
ーー今後、採用を加速していくエンタープライズ事業部。山根さんは、どのような人と一緒に働きたいですか?
ラクスルには、「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というVisionがあります。そのためには、逆説的ではありますが、最初は属人的にでも自らの解像度を高める経験や行動が必要です。私が事業立ち上げに際してまずは200件の商談を担当したように、現場に入り込んで手を動かしてやり切る経験にポジティブな印象を持てる方と一緒に働きたいと思っています。
また、解像度を高めたあとは、それを仕組み化し、他のメンバーも同様に実行できる環境に整えていく必要もあります。そのプロセスを楽しめる方はマッチすると思います。
ーーラクスルへの転職を検討する方に、メッセージをお願いします。
本当の意味で業界を良くしていく。つまり「当事者」として産業をより良くするための「仕組み」をつくる。ラクスルが目指していているVisionに共感いただける方は、やりがいや楽しさを持って働いていただけるはずです。また裁量がある環境でチャレンジができるので、今の環境でくすぶっている方はぜひラクスルで力を発揮していただきたいです。
目の前のお客様の課題を解決しながら、その先にある「産業の構造変革」に一緒に取り組んでいただける方がいれば、ぜひお話させてください!ご応募お待ちしています。