“別事業になっていく”ほどの成長曲線を。企業の課題解決に奔走するエンタープライズ事業部の今
ラクスル株式会社 ラクスル事業本部 Marketing&Business Supply(M&BS)統括部 エンタープライズ事業部 セールス責任者
橘髙 康浩
Yasuhiro Kittaka
大学卒業後、商社に入社し、営業職を皮切りにアライアンス構築やM&Aプロジェクト推進を担当。幅広い業務経験を積みながら、企業間連携の戦略的な推進に携わる。その後、アマゾンジャパンに入社し、Amazon Payセールス統括責任者として同社の決済サービスの拡充と戦略的運営に貢献。2024年5月よりRAKSULに入社し、エンタープライズ事業部の営業責任者として、同社の大規模顧客向けサービスの推進を牽引している。
RAKSULはただの“印刷屋さん”ではない。企業の課題を解決しながら高い成長率を維持するRAKSULで挑戦したいと思った
――これまでの橘髙さんのキャリアを教えてください。
大学卒業後、日本の商社に就職し、メーカー部門で国内営業・海外営業両方を経験しました。中堅企業からエンタープライズまで幅広く対応し、世界を飛び回り、海外ベンダーとのアライアンス構築や、M&Aプロジェクトへの参画など、まるで“なんでも屋”のような多様な経験を積むことができました。
その後、アマゾンジャパンのAmazon Pay事業部に転職。7年半の在籍期間中、営業担当からスタートし、新規営業・エンタープライズのセールス責任者を経て最後はAmazon Payのセールス統括責任者を務めるまでに至りました。
サービスのアーリーステージにジョインし、メンバーにも非常に恵まれて、退職時では入社時と比べ40〜50倍までビジネスをスケールできた経験は、0→1から1→10までに立ち合える貴重な経験だったと感じています。そして、RAKSULには2024年5月に入社しました。
――なぜアマゾンのようなグローバルな企業から、RAKSULへ転職しようと思ったのですか。
Amazon Payはすでに向こう数年先までの成長性は見えていましたし、さらに非連続的な成長を遂げるための仕掛けも作れていました。そんな一定のロードマップのあるステージに入っていたので、今が次のメンバーに機会を渡していく良い機会だと考えていました。
しかし、Amazon Payのプロダクトもサービスも大好きだったので、アマゾンジャパンの他のポジションに移るイメージが湧かず……。思い切ってカルチャーのまったく違う外の会社に行ってみようと考えたのが転職のきっかけでした。
そんな折、RAKSULからダイレクトスカウトを受けたのです。当初のイメージは「オンラインでビジネスを展開する印刷屋さん」。しかし面接を通じて、RAKSULは単なる印刷屋さんではなく「企業の課題を解決し、仕組みで世の中を変えていく企業」であると知りました。
さらに、財務諸表を見たときに、流動比率、現金比率、PBRなど数値が美しかったのも印象的です。非連続成長のための投資も行われていて、高い成長率を維持しながらこんなにも財務が強いのはなぜなのだろうと興味を持ちました。さらに、マネジメントレイヤーに若い人が多く、スピード感もある。これらの要素に強く惹かれ、RAKSULでの次のチャレンジを決めました。
――橘髙さんのご経験を、RAKSULでどのように生かせそうだと考えましたか?
RAKSULが目指す「ビジネス・組織を両輪でスケールさせる」という点において、アマゾンジャパンで培ってきた経験が生きると考えています。また、商社時代でのパートナーアライアンスのスキルも大いに役立つでしょう。これまでの自分の経験を包括的に活用しつつ新たなチャレンジができることに魅力を感じました。
エンタープライズ事業部は、印刷を起点に企業の経営課題の解決に伴走する組織
――橘髙さんの所属するエンタープライズ事業部は、どのようなことを行っている組織ですか。
エンタープライズ事業部は、大手企業のメインプリンティングパートナーになることをミッションにした事業部です。しかし、提供するのは“印刷”だけではありません。経営課題を改善するためのあらゆるソリューションを提供しています。
たとえば、ある企業が集客に課題を抱えているとします。従来は、リサーチ・顧客のペルソナの把握・媒体選定などを全て終えた段階でRAKSULに話が来て、「こんなチラシを10,000部印刷してください」と発注をいただいていました。それに対してRAKSULは、ベンダーとして「他社だったら1枚1円ですが、当社だったら1枚0.8円です。納期も他社より2営業日短くできます」といった、プロダクトに寄ったバリュープロップをもって提案を行っていました。
一方、現在のエンタープライズ事業部は、そのスタイルをドラスティックに変えていっている過程にあります。先ほどの事例で考えると、前段の「顧客のペルソナはなんだろう」と考えるフェーズから支援させてただき、該当ペルソナにはどのようなクリエイティブとメッセージで訴求すればいいのか、紙媒体でリーチする場合はどのエリアがいいのか、チラシを配って終わりにしないためにどうすればいいのかなどを包括的に提案しています。また、チラシやダイレクトメール配布後にはデータを取り、改善案の提案もセットで行っています。
――従来の「プロダクト売り」から「ソリューション起点での解決」に舵を切った理由は?
印刷を主業としてお客様と接する中で、企業の困りごとは非常に多様であると気づいたからです。
そしてその困りごとを一気通貫で解決しようと思うと、企業側は代理店に依頼をするのが一般的でした。
もちろん、代理店にお願いすると工数削減への効果・クリエイティブのクオリティも高いものが出てきますが、価格や納期への融通が利きにくく、経営課題への解決には結びつきにくいケースもあります。そこに私たちが深く入り込み経営課題を解決していきたいと考えたのが、エンタープライズ事業部の変革のスタートでした。
とはいえ、長く代理店に依頼してきた企業からは、スイッチングコストなどの理由からRAKSULにリプレイスしにくいという声も聞きます。そのような企業に対して、どのようにバリューを出し、提案していくのかが、私たちの伸びしろだと考えています。
――エンタープライズ事業部が「経営課題の解決」を行った具体的な事例を教えてください。
MR(Medical Representatives:医薬情報担当者)企業へのソリューション提供が好調です。MR企業では人材・拠点の減少とともに、印刷物の管理が大きな課題となっていました。
具体的には、担当者が必要なタイミングでデータを取り出し、自社の複合機やコンビニで印刷する運用に代わり、印刷物を手にするまでのスピードは上がるものの、同時にコストも増えていました。また、医師に送る重要な医薬情報が記載されたものを外部で印刷するガバナンスの問題も起こり得ます。
そこで、RAKSULのエンタープライズ事業部では、担当者ごとに印刷権限を限定し、デザインなどのガバナンスも効かせるようにしました。これにより、どの担当者がどれだけ印刷しているかも管理でき、コストコントロールが可能になります。また、重要性が高く医師に直接送付する必要のあるものについても、担当者がRAKSULのダイレクトメール機能を使って自身で作業ができるため、本部でのとりまとめの工数が不要になります。
印刷を起点にして、「MRが減少し、リソースを確保しづらい」という経営課題にアプローチすることで、生産性を改善している良い例だと思っています。
――エンタープライズ事業部として現在注力しているポイントを教えてください。
セールス面では、集客支援に積極的に取り組んでいます。具体的には介護施設の入居者、学習塾の季節講習の受講者、スポーツジムの会員などの集客です。印刷のみならず、企業のブランディングも含めた上流からのサポートに注力しているのが特徴です。
それ以外では、企業内のガバナンスや生産性の向上の支援に取り組んでいます。たとえば保険会社向けに、RAKSULの強みである単納期・低単価・小ロット生産に加え、印刷以外のお客様の経営課題を発見し、現在は倉庫機能の付加や配送、アセンブリなど、サポート領域を拡大しています。常に新しい価値提供を模索することで、大きな受注獲得に尽力しています。
エンタープライズ事業部は常に成長が求められ、変化しつづける場所。その環境を楽しめる人と働きたい
――橘髙さんが考える、エンタープライズ事業でのやりがいを教えてください。
最大のやりがいは、お客様の経営課題を解決している実感とそのリターンを感じられる点です。また、事業を成長させるフェーズにあり、大きな変革プランを求められる点も刺激的です。求められるもののハードルは非常に高いため、自分がどれだけ応えられるのかというプレッシャーもありますが、それがあるからこそ成果の出し方を徹底的に考えられる。大変ですが、その分やりがいのあるポジションだと思っています。
メンバーにとっては、常に成長機会がある点ではないでしょうか。ファーストフェーズとして、自分の持っているパイプ(仕掛商談)をクローズ(進捗)させるスキルが必要です。クローズができるようになったら、複数の案件・さまざまなパイプがある中でどう優先順位をつけて、クローズさせるタイミングを見極め、どう成約するのかを考える力が求められます。その次のフェーズでは、期単位ではなく年単位のロングスパンでパイプマネジメントするスキルが必要です。シニアになれば、自分の成績だけでなく組織の数字にコミットしなければならず、組織全体としてのポートフォリオコントロールの能力も求められます。
成長したらすぐ次の成長が求められる環境はハードではありますが、一つひとつ乗り越えるうちに、自然にチームマネジメント、組織のイネーブルメントができるようになっていきます。
加えて、どのように事業変革するのか、何に投資をしていくのかを間近で見られるところもエンタープライズ事業部の魅力です。自分の担当領域の仕事だけでなく、事業を「経営」ととらえてどのように進められているのか眺められる環境も、メンバーの成長には重要だと考えています。
――RAKSULのエンタープライズ事業部には、どのような人材がマッチしますか?
経営課題の発見ができ、課題に対してアクションが取れる人がマッチすると思っています。過去のキャリアについては「この職種でなければだめ」という明確なものはありません。たとえば、バーティカルSaaSで経験を積んできた方にもチャンスはありますし、企業のペインを探してソリューションを提供することに強みを持っている人も、人間関係を構築するリレーション営業に強みを持っている人にも、活躍の場があります。今在籍しているメンバーのバックグラウンドも様々で、異なる強みを生かした組織作りを行っています。
――人物・定性面はいかがでしょうか。
ひとつは、変化が好きな方。エンタープライズ事業部はこれから大きな変革を遂げていきます。「別事業になっていく」と言ってもいいほどの成長カーブを描いているので、それを楽しみ、立ち向かっていける方を歓迎します。
ドメイン(事業内容)ではなく、企業の課題・相手のペインの解決に熱を持っている方もマッチしているのではないでしょうか。我々がなぜそこに介在する必要があるのかを徹底的に考え、バリューを発揮できる方と一緒に働きたいと思っています。
――今のフェーズのエンタープライズ事業部にジョインするメリットを教えてください。
成長フェーズをリアルに体験できる、という点に尽きます。事業が想定外に進捗していかないリスクも、想定以上に成長していく可能性もある中で、後者の可能性を高めるために、自分が中心になっていける環境は非常に面白いのではないでしょうか。
RAKSULは、拡大のスピードに対して想像以上にコミットしている印象を、入社後改めて実感しています。そのために、紙の印刷以外のソリューションをどんどん増やし、拡大しているフェーズですので、その変化を楽しみたい人とは、ぜひお話してみたいと思っています。