次の10年を見据えて
■ラクスルが目指す未来
会社が目指す将来は、まさに産業のインフラとなるシェアリング・プラットフォームを創っていくことです。
今期からアドプラがラクスル事業から独立し、印刷・広告・物流の3本柱になります。それが10年後、それぞれ1兆円規模になることを目指していこうと思っています。そして年初にも話した通り、これを10の業界でやろうと考えています。僕の尊敬する渋沢栄一のように、たくさんの産業でプラットフォームを作っていける、そういう会社にラクスルはなっていきたい。そして、手がける事業の一つひとつは小さな規模ではなく、オンラインにおけるその業界の第一想起になっている、そんな時代が絶対来ると思っています。
その理由のひとつは「複利」。時間が経つにつれて、成長幅がとても大きくなります。ラクスルは創業10年目となるこの1年で、売上が60億円も成長しました。創業から売上60億円超えるのに8年かかったのが、9年目から10年目の1年間で60億円を超えている。つまり、この1年で私たちが世の中に与えられるインパクトが複利的にものすごく大きくなってきて、事業を長く行うことによって1兆円も十分に目指せるようになっていきます。ちなみに1兆円という数字が目的なのではなく、そのくらいの規模になるとすべての人が必ず使う社会インフラになっているであろうという目安の数字です。
そしてもうひとつは、世の中の人がもっとインターネットを使うようになります。例えば30年経つと今30歳の人は60歳になっています。その頃までいくと、ほぼすべての労働人口がデジタルネイティブになっていて、デジタルネイティブの人がそのまま今のような業界構造を引き継ぐかというとそんなことはないと思うんですね。その頃にはすべてがオンライン上のマーケットプレイスもしくはSaaS上で発注をかけるような社会になっていると思うのですが、そうすると、その頃には各産業のEC化率が日本でも50〜60%に間違いなくなると思います。その時に各業界のトップシェアの会社としてインフラを提供しているのがラクスルです。おそらく我々がやらないとラクスルではなくAmazonになっていると思うんです。そういう意味で、日本におけるBtoBの産業インフラを我々が作っていく、そしてそれを世界に広げていくというビジョンを持っています。
最後に改めて「自分たちの手で仕組みを変えて、社会インフラとなるプラットフォームを生み出し 、世界をより良いものに変えていきましょう」と言うメッセージを贈ります。
実際に我々はこの10年で仕組みを変えてきましたし、世の中のある仕組みに乗っかって何かを作るのではなくて、これからの世の中を作っていくことというのは皆さん一人ひとりの一行のコードであり、普段仲間と一緒に考え、動かしているプロジェクトを通じて世の中を変えていけると思っています。次の5年、10年も世の中を変えていくチャレンジをしてくれると嬉しいなと思います。