個の力を活かしながら、再現性のある強いチームに。ラクスルで挑戦するセールス組織の“仕組みづくり”
ラクスル株式会社/GROWTH BU/Enterprise BU/Sales & Marketing Leader
川並 拓樹
Hiroki Kawanami
大学卒業後、外資系工業薬品メーカーに新卒入社。4年間勤務したのち、求人メディア運営会社にて3年間のセールス経験を経て、2020年にラクスルに入社。求人サイトでの応募~採用のプロセス改善経験を活かし、ネット印刷を導入したコスト削減・業務効率化コンサルティングに従事。現在は、所属するアカウントセールスチームで、企業向け印刷・販促管理サービス「ラクスル エンタープライズ」の販売を担当している。
ラクスルが向き合う産業の“可能性”に、介在価値を感じて入社
——まず、ラクスル入社以前のキャリアについて教えてください。
これまで、2社でセールスとして既存営業から新規営業まで幅広く経験を積んできました。新卒で入社したのは、外資系工業薬品メーカーです。そこでは4年ほど、代理店に対して自社製品を販売してもらうためのプロモーション活動をメインにおこなっていました。
次第に、もっと直販寄りのビジネスモデルで自ら利益や数字を生み出す仕事がしたいと考えるようになり、求人メディア運営会社に転職。お客様の新規開拓に加えて、継続して求人広告を出稿していただくためのフォローアップや広告のディレクションにも携わりました。
いずれの職場でも大切にしてきたのは、お客様だけではなく、パートナー企業や社内の他部門など、あらゆる立場の方との関係構築です。
「セールスは社外に目を向けるべき」とよく言われますが、売り上げはセールスだけで作れるものではありません。社内のさまざまな部署のサポートがあって成り立っています。その考えは、今も自分が働く上で大切にしたい価値観の一つになっています。
——どのような経緯でラクスルと出会ったのでしょうか?
前職では、すでに営業手法の「型」が存在していました。今後自分がさらに成長するために、出来上がった型に沿って仕事をこなすのではなく、1から業務の仕組みを整えたり、改善していったりする立場を経験してみたいと考えるようになったんです。
転職を検討し始めたタイミングで、ラクスルがちょうどセールス組織の立ち上げメンバーを募集していると知りました。
ラクスルが向き合っている産業は長い歴史と伝統を持っていて、急成長期のフェーズにいるわけではありません。ですが話を聞くうちに、ネット印刷という市場は海外と比べて日本ではまだまだシェアが低く、これから伸びる余地が大きいのだと分かりました。
またラクスルは、長期的な視点での産業変革にチャレンジしています。「印刷」を起点に、ノベルティをはじめとする販促業務支援にも参入するなど、レガシーな産業の可能性を広げようとしている面白い企業だな、というのが最初の印象でしたね。
——最終的な入社の決め手は何でしたか?
「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンを掲げるラクスルで、組織の立ち上げに携われることが決め手になりました。この環境なら、自分がまさにやりたかった“仕組みづくり”にチャレンジできると思ったんです。
セールスというと、とにかく訪問・架電するといった、行動量ありきの労働集約的なイメージが強いかもしれません。もちろんアウトバウンドのアプローチは重要ですが、私は営業活動はもっと効率化できるはずだと考えていました。
また、面接をしてくれた役員がとても楽しそうに事業の未来を語る姿にも惹かれましたね。転職活動の中で、複数社とお話しをしましたが、入社前からこんなに一緒にわくわくできる体験は初めてでした。熱い思いを持つ人がいる会社はきっと伸びるだろうし、自分自身も楽しく働けるだろうなという確信を持ち、2020年12月に入社しました。
立ち上げ期から参画のセールスとして、とことん試行錯誤
——現在の担当業務を教えてください。
所属するアカウントセールスチームで、企業向け印刷・販促管理サービス「ラクスル エンタープライズ」の販売を担当しています。商談から受注につなげて、サービスのユーザー数を拡大していくのが私たちの役割です。
サービスの立ち上げ期からセールスとして参画し、徐々にメンバーが増え、現在ではリーダーを任されるようになりました。
部門内ではマーケティング・セールス・カスタマーサクセスとそれぞれ担当は分かれていますが、お客様との商談で得た生の声をきっかけに、セールスからリードを獲得するための施策を提案することもあります。お互いのプロフェッショナリティを尊重しつつ、役割にとらわれずフラットに議論できる環境だと思います。
——ラクスル エンタープライズの部門では、それまでセールス組織がありませんでした。立ち上げと同時の参画で、大変なこともたくさんあったのではないでしょうか。
当初は、ラクスル エンタープライズの導入に向けて、リード獲得から受注、フォローまで全ての役割を一気通貫で任せてもらっていました。自分が成果を出せなければ、事業自体がなくなってしまうかもしれない。そんな状況だったので、とにかく試行錯誤の連続でしたね。
お客様と商談をできる時間も限られていたので、Webセミナーを開催してより効率的に多くのお客様へ情報発信をしたり、メールでのアプローチを工夫してみたり。どういったアクションが最も効率的で、本当に重要な業務に時間を充てられるようになるのかを考えながら、さまざまな施策をおこないました。
Webセミナーはお客様からも好評だったため、録画した内容をオンデマンド配信をするなど、さらに工夫を重ねていきました。結果的に、サービスを必要としてくれるお客様とのコミュニケーションを大切にできたと思います。実際に多くのリードや商談機会を創出でき、自分の取り組みが成果としてダイレクトに返ってくることがとても面白かったです。
周りの支えにも、本当に助けられました。入社直後の自分がいろいろな施策を打ち出しても、否定せずに何でもやらせてもらえたのはありがたかったです。
とうとう手が回らなくなってしまった時期には、事業部長の平光が、雑務の入力作業まで一緒に手伝ってくれることもありました。「1人じゃないんだな」と心強く思ったと同時に、役職や年次を問わずゴールに向かって共にやり切るという、ラクスルならではの風土が身にしみた瞬間でした。
——ラクスル エンタープライズのリリースから、早くも1年が経ちました。いま、事業に感じている価値とはどんなものですか?
ラクスルの強みである「小ロット生産が可能で安価かつ短納期」に印刷ができる点は、大企業のお客様にもすごく刺さるなと実感しています。
現代社会において、消費者の嗜好が多様化するなかで、販促手段も個別化していかなければいけません。
一般的な印刷会社に依頼すると、小ロットでの印刷はどうしてもコストが高くついてしまいますが、ラクスルでは、エリアや顧客特性を踏まえて拠点や店舗ごとに最適化した内容で販促物を作る仕組みを提供できます。
さらに「ネットを通じて必要な分だけ印刷できる」という点はSDGsの側面でも注目されています。できるだけ無駄を出さずに、環境に配慮した取り組みをおこないたい大企業のお客様から「良い仕組みですね」とおっしゃっていただく場面が多いです。導入後に、「販促業務がとってもラクになりました」「残業時間が短縮されました」という声を直接いただけるのも嬉しいですね。
主体的かつ協力的なメンバーと共に、事業を育てていく面白さ
——川並さんから見た、働く環境としてのラクスルの魅力を教えてください。
とにかく、物事がものすごく速く進むところが好きです。各施策を進めるにあたって、より良い方法があればその日のうちに施策のオーナーやToDo、スケジュールまで決まることも珍しくありません。
そのうえ、主体的に取り組むメンバーばかりなので「じゃあ、これやりますね」「こっちを巻き取ります」と、タスクがあっという間に振り分けられていくんです。何なら仕事の取り合いになるくらいで、最初はそのスピード感に圧倒されました(笑)。
こうお伝えするとドライな環境だと思われるかもしれませんが、むしろその逆で、困ったことを共有すると、皆いつも親身になって相談に乗ってくれます。
ラクスル エンタープライズは事業としては軌道に乗ってきたところですが、まだまだ成長の途上。一人だけでは成し遂げられない、高い目標に挑戦しています。同じゴールを見据えているからこそ、自分ひとりが成果を出せばいいのではなく「事業部全体でいかに連携していくかが重要」だという共通認識が全員にあるんですよね。
以前、社内のインタビュー記事で「ラクスルでは社員一人ひとりの活動が有機的に結びついて、物事が進行していく」と言っている人がいたのですが、まさにその表現がぴったりだと感じています。
——チーム内で、協働するスタンスが浸透しているんですね。
他チームとの連携も、非常にスムーズです。特に開発部門とは週次のミーティングも実施しています。お客様からお聞きした要望を伝えると、すぐにエンジニアメンバーが検討してくれて、どうしたら実現できるかにフォーカスした建設的な議論ができるんです。
お客様から「インターフェースが分かりやすい」とおっしゃっていただけるのも、プロダクトの開発・改良のスピードが速いからこそですね。私自身は開発に携わっていなくても、お客様との商談を通じて感じた考えや意見を形にできるのが、大きなやりがいにつながっています。
——現在はアカウントセールスチームのリーダーを務める川並さん。マネジメントにおいて大切にしていることは何でしょうか?
売れる仕組みを、全員でつくっていくことを常に意識しています。そのために、あるメンバーが上手くいった事例を展開したり、どういった点に再現性があるのかを明文化したりと、さまざまな取り組みをおこなっています。
こうした組織づくりは、日々仕事に追われているとなかなか手が付けられません。ドキュメントに都度残すのを億劫に感じてしまうメンバーもいることでしょう。だからこそ、メンバーに対して周知するだけではなく、まずは自分が率先して行動していくことが肝心だと考えています。
「書きとどめておかないと気持ち悪いな」と違和感を持ってもらえる状態になるまで、リーダーとして、オーナーシップを持ってやり切りたいと思っています。
——一つひとつの行動の積み重ねで、習慣や仕組みをつくっていこうとしているんですね。最後に、今後の抱負を聞かせてください!
ラクスル エンタープライズを、日本一の印刷サービスとして、市場を牽引できる事業に育てていきたいです。
この大きな目標を達成するため、セールス組織としてもっともっと成長を加速させていかなければいけません。大企業に向けた営業活動は、顧客特性によって営業戦略を変えている部分も多く、なかなか型化しづらいのが現状です。だからこそ、挑戦のしがいがありますよね。
メンバー個人の力を最大限に引き出しながら、チームで成果を生み出すことにこだわり続けたいと思います。