「日本全国どこで印刷しても同じ品質」の追求。私の知識や経験のすべてをラクスルの人々にお伝えしたい
ラクスル事業本部SCM部 印刷技術/品質管理
堂本 秀樹
Hideki Doumoto
リョービにて印刷機の設計からキャリアを築き、2014年には三菱重工印刷紙工機械とリョービMHIグラフィックテクノロジーを設立、初代社長として業界再編の旗手となる。その後ラクスルに参画、生産改善、品質管理に取り組む。
これまでのキャリア
社会人になったのは1981年、入社したのはリョービ株式会社という広島県にある会社でした。理系出身だったこともあり、最初の配属は印刷機の設計をする部署でした。それから40年、変わらず印刷業界一筋です。
ラクスルに出会ったのは2015年に届いた1通のスカウトメールでした。印刷業界にいたのでラクスルの名前はもちろん知っていましたが、当時抱いていた印象は、「面白いことをやろうとしているが、印刷を知らない人が多いので苦労することもありそうだな」。印刷業界を良く知る自分が入ることで貢献できることがあるのではないか、という想いから入社を決意しました。
ラクスルでの仕事
入社当時のラクスルは、まだサプライチェーン体制が整っているとは言えない状況であり、その未熟さから印刷会社の方々にご迷惑をかけてしまうこともありました。それから年を重ねるごとに少しずつ向き合い方や提供できることも変化し、今のパートナーシップに至っています。
現在は委託先の開拓と品質指導、資材調達、各種相談などに対応。これまで蓄積してきた知識や経験を若い人々に託していくことを意識して業務にあたっています。一方で、自分の経験がラクスルの邪魔をしないようにも気を付けています。仮に私がダメだと思っても、そこに新しいものを生み出す可能性があるかもしれません。ラクスルの人々が業界の常識や慣習などにとらわれず真っ白な状態で発想したことを否定せず、道を完全に外れてしまわないよう気を配りながら、親心を持って見守ることを心がけています。
これまでの仕事で印象に残っているのは、2015年からスタートした紙の調達プロジェクトです。ラクスルは印刷に利用する紙を一括購入してパートナーの印刷会社に提供するということを実施しているのですが、2018年の冬~2019年の春にかけて国内の紙の供給がひっ迫し、印刷会社に十分な紙が供給されなくなるという誰も予想していなかった事態が起こりました。ネット印刷の会社も打撃を受けて、大幅な販売制限を実施した会社がほとんどだったのですが、ラクスルが数年かけて構築してきた国産/輸入含めた独自の供給網が真価を発揮、我々自身が大幅な販売制限を回避しただけではなく、パートナー印刷会社の分までカバーすることができました。
ラクスルについて
2015年に入社してからここまでの5年間の変化はすごいですね。前職の5倍~10倍のスピードで進化していると思います。品質に対する考え方や、印刷会社の方々との向き合い方、色々な部分で良い方向に向かっていると感じています。また、人に関して言うと優秀で資質に優れた人が多く、論理的に物事を進めていくということにたけていますね。あえて苦言を言うとすれば、もう少しぶつかり合ってもよいのかなと思います。
今後について
いろいろありますが、特に印刷品質のところについてはまだ道半ばで、「日本全国どこで印刷しても同じ品質で印刷できる」というところを追求していきたいと思っています。印刷は機械やその日の天候によっても品質が左右されるので、そのコントロールは至難の業。一朝一夕でできるものではないですし、特効薬もありません。だからこそ、ラクスルが目指す価値があると思うのです。
引退するまでは、私の知識や経験のすべてをラクスルの人々にお伝えし、印刷技術のところで私がいなくても回っていくような状態をつくっていきたいと思います。欲を言えば、私が持っているものにラクスルの人々が+αしてもっといいものに昇華させてくれれば更に嬉しいですね。