
PdMとして、ラクスルのプラットフォーム統括部にジョイン。田渕さんの入社エントリー
この連載では、RAKSULグループの新入社員にインタビューを行い、入社の決め手や入社してみて実際に感じていること、今後のチャレンジなどを語ってもらうことで、リアルな雰囲気や働く魅力を紹介していきます。
今回は、ラクスルのプラットフォーム統括部にジョインした田渕さんにお話を伺いました。
ラクスル株式会社/テクノロジー本部/プラットフォーム統括部
田渕 亮佑
Ryosuke Tabuchi
2011年に早稲田大学大学院を修了後、ユニリーバ・ジャパン株式会社にてサプライチェーンに従事。その後2015年に、アマゾンジャパン合同会社に入社し、マーケットプレイス事業におけるオペレーションやプロダクト戦略・実行を担当。2022年より株式会社KabuK Styleにてプロダクト開発をリードし、執行役員に就任。2024年11月にラクスル株式会社へ入社し、テクノロジー本部にて全社共通基盤の開発をPdM(プロダクトマネージャー)として推進中。現在の生活の三本柱は、家族と仕事、そしてボルダリング。
ラクスルへの入社の決め手を教えてください。
これまで私は、サプライチェーン、ECプラットフォーム、そしてプロダクト開発という、一見異なる領域を横断しながらキャリアを築いてきました。
ユニリーバ・ジャパン株式会社では、生産計画や在庫管理、物流の最適化といったサプライチェーン全体に携わり、グローバルブランドを支える“裏側の仕組み”に触れました。そこでは、効率だけでなくサービスやモノの品質も含めたオペレーション設計力やプロジェクト推進力を身につけました。
その後、アマゾンジャパン合同会社へ転職。マーケットプレイス事業にて、オペレーションの仕組み化・プロダクト開発や実行を担当しました。膨大なデータをもとに仮説を立て、凄まじい成長を実現するための思考力・実行力を磨きました。時に日本人の常識では想像しづらいような思考やアプローチに触れられたのも、アマゾンならではの経験でした。
そしてKabuK Styleでは、プロダクト開発を統括する立場として、サービスと組織の両面から“成長を支える仕組み”をつくるチャレンジを経験しました。事業フェーズごとに異なる課題やチャレンジに正面から向き合えた経験はいま振り返っても大きな糧となっていますし、より広い視座でプロダクトを捉えるきっかけになりました。
一方、そうした経験を積み重ねるなかで、「自分のキャリアは散漫なのでは」と感じることもありました。サプライチェーンやプロダクトマネジメントといった共通のキーワードはあれど、経験した業界やスキルも異なり、それぞれが点在しているように思えたのです。
そんなときに出会ったのがラクスルでした。最初は正直、日系企業で印刷業界ということもありパッとせず、転職先の選択肢には入っていませんでした。「田渕さんのバックグラウンドにバッチリな会社があるんです」と紹介され、話を聞いてみることにしたんです。
そこで知ったのが、印刷という“モノ”を扱いながら、サプライチェーンを構築し、BtoB・BtoCの両面にプラットフォームをプロダクトとして提供するビジネスモデル。その構造を見たとき、私がこれまで関わってきた「モノの流れ」「仕組みの構築」「プロダクト視点での成長戦略」が一本の線としてつながっていく感覚を持ちました。これまでバラバラに見えていた経験が、「ここなら全部活かせる」と確信した瞬間でした。
加えて、ラクスルが掲げるビジョン「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」にも強く惹かれました。私自身、プロダクトとは属人的でなく、仕組みによって社会やビジネスをより良くしていくものだと信じています。だからこそ、会社としてその思想を明文化し、経営の根幹に据えている点は、自分の価値観と非常にフィットしていました。
また、選考過程で出会ったメンバーとのやりとりも印象的でした。特に、実際の業務に近い課題に取り組む「ワークサンプル*」では、思考を深める質問や、フラットな対話の姿勢に触れ、「あ、この人たちと一緒に働くんだろうな」と直感的に感じたのです。私にとってこの直感は、論理で考える以上に大事な決め手となりました。
*ワークサンプル:実際の業務テーマに近しい課題に取り組み、社員とのディスカッションを通じて、物事に対する考え方やスキルがフィットするかを双方で確認するもの
入社して5か月が経ちました。率直な感想をお聞かせください。
入社前は、「社員数も多く、組織としても整った企業」というイメージを持っていましたが、良い意味でその予想を裏切られました。中に入ってみると、驚くほどスタートアップマインドにあふれ、スピード感や柔軟性を大切にしている文化があることに驚きました。
特に印象的だったのは、社員一人ひとりの事業への当事者意識と意思決定のスピード感。全員が物事を自分ごとに捉え、数字やお客様の声など根拠ある判断をしている点です。この絶妙なバランス感覚は、大企業ともスタートアップとも異なる、ラクスルならではの規模感だからこそ可能なのだと感じています。
また、家庭との両立を自然に実現しているメンバーが多いことも印象的でした。私自身、二児の父ですが、たとえばグループCTOが「これから娘を迎えに行って、カレーを作るので」と夕方に颯爽と帰っていく姿を見たとき、「この会社、いいな」と心から思いました。このようなカルチャーだからこそ、お客様やチームのために頑張ろうと思えています。
これからチャレンジしたいことをお聞かせください。
現在は、ラクスル全体で利用する共通基盤の構築を進めています。印刷・広告・M&Aで加わった新規事業など、ラクスルには多様なサービスが存在していますが、現時点ではそれぞれが独立していて、ユーザーが一貫した体験を得づらい場面もあります。理想は、GoogleアカウントでYouTubeやGmailなど複数サービスを利用できるように、ラクスルでも「ひとつのユーザーIDで、複数のサービスをシームレスに利用できる世界観」を実現すること。そのため、表には見えづらいですが裏側の仕組みづくりを、今まさに取り組んでいます。責任範囲はここだけではないですが、サービス全体のグロースを加速できるような、そうした未来を見据えています。
私はエンジニア出身ではありませんが、ビジネスとプロダクトの視点を掛け合わせることで、チーム間の連携を促進し、より大きな成果を生み出せると信じています。これからも「仕組みで価値を届けるプロダクト」を追求していきたいです。
最後に、一言お願いします。
ラクスルはまだまだ進化の途中にある会社です。だからこそ、自ら手を挙げて、オーナーシップを持ち、物事を推進する姿勢が求められます。決められたタスクをこなすのではなく、「これは自分の責任範囲外だけれど、やるべきことだ」と思って動ける人こそが、チームや事業を本質的に前進させられるのだと思います。
私たちが目指しているのは、単なるプロダクト開発ではなく、仕組みを通じて社会に価値を届けることです。「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンに共感し、自分ごととして挑戦してくれる仲間と出会えたら嬉しいです。