
マーケティングマネージャーとして、ラクスルのマーケティング本部にジョイン。森さんの入社エントリー
この連載では、RAKSULグループの新入社員にインタビューを行い、入社の決め手や入社してみて実際に感じていること、今後のチャレンジなどを語ってもらうことで、リアルな雰囲気や働く魅力を紹介していきます。
今回は、ラクスルのマーケティング本部にジョインした森さんにお話を伺いました。
ラクスル株式会社/マーケティング本部/マーケティング新規事業準備室
森 裕子
Yuko Mori
大学卒業後、メディア業界を経て楽天グループ株式会社に入社。楽天市場のマーケティングやディレクション業務を担当。その後、株式会社マネーフォワードにてプロダクトオーナー・事業責任者として、課金ユーザー10万人の獲得を実現するなど、事業成長を牽引。さらに、BCGデジタルベンチャーズでコンサルティング先の新規事業の立ち上げや、D2C領域のスタートアップでのブランドの立ち上げを経験し、多様な事業フェーズに携わる。その後、株式会社メルカリにて新規事業の企画・戦略立案を担当。2024年12月にノバセル株式会社に入社。現在は、複数のサービスをシームレスにつなぎ、お客様に滑らかな購買体験を実現するGo-To-Market(GTM)を推進し、中小企業の経営支援に取り組んでいる。
ラクスルへの入社の決め手を教えてください。
私は大学卒業後、まずはメディア業界に進み、オールドメディアの現場で業界の伝統や型を学ぶ機会を得ました。当時は、ちょうどデジタル業界が立ち上がり始めたばかりで、これから徐々に広がっていくような時期でした。そんな変化の只中で、「今までにない新しいサービスを自ら創りだす」という環境に惹かれ、楽天グループへ転職しました。
その頃の楽天市場にはまだマーケティング部がなかったため、部署の立ち上げから携わり、広告運用やCRMを担当しました。その後、カート機能開発の改善業務に関わったことがきっかけで、売上と開発を連動させるための体制整備やディレクションも手掛けるようになりました。
私は、既存サービスの拡大・成長に取り組んできた経験に加え、新サービスの立ち上げにも主体的に関わったことで、「まだ見ぬ新しいサービスや価値をお客様に届けたい」という想いが強くなりました。楽天市場での立ち上げや体制づくりが軌道に乗り、組織やサービスが順調に拡大していく中で、自分の役割はひと区切りついたと感じ、「次のチャレンジに進む時だ」と考え、転職を決めました。
マネーフォワードへの転職は、サービスそのものに衝撃を受けたことがきっかけです。当時のマネーフォワードはプロダクトマーケットフィット前の段階でしたが、まだ一般的ではなかった「ID・パスワード連携」を導入していて、パスワードを連携するだけで自分の金融情報を集約・管理できるという新しい価値を体験し、強い可能性を感じたんです。「このサービスを世の中に広めたい」という思いから、ジョインしました。
そこではプロダクトマネジメントからスタートし、新しい顧客体験の提供に伴う開発要件の定義や、KGI達成のための改善に取り組みました。最終的にはプロダクトオーナー・事業責任者を務め、課金ユーザー10万人の獲得も実現。当初掲げた「世の中に広める」という自分のチャレンジは、一定の形で達成できたと思っています。
以降も、BCGデジタルベンチャーズでのクライアント先の新規事業立ち上げや、D2C領域でのブランド創出、メルカリでの新規事業企画など、常に「今までにない新しい価値」を届ける挑戦を重ねていました。
そうした中で、スカウトメールをきっかけにラクスルと出会ったんです。以前から名前は知っていましたが、これまでBtoC領域を中心にキャリアを積んできた私にとって、BtoBは未経験の領域。それでも、次のチャレンジを模索していたタイミングでもあり、「未経験の領域にに挑戦する」というキャリアの軸にも重なったため、自然と興味を持ちました。
ラクスルの事業構造に触れる中で、「どの顧客に、どのような価値を、どう届けるのか」というGo-to-Market(以下、GTM)の視点に加え、競争優位性を保ち続けるための参入障壁の設計や、他社には真似できないビジネスモデルの構築を、高いレベルで両立していることに強く惹かれました。
また、選考を通じて出会ったメンバーの誠実さや、戦略と実行をつなぐ力にも心を動かされました。このチームであれば、顧客体験を一貫してデザインし、独自の戦略で持続可能な事業創りに挑戦できると確信し、入社を決めました。
入社して7か月が経ちました。率直な感想をお聞かせください。
想像以上にスピード感のある会社だと感じています。意思決定・仮説検証・外部リソースの柔軟な活用など、経験がないほどの速さで驚かされました。私自身、これまで複数のABテストを同時に行ったり、PDCAサイクルを高速でたくさん回すなど、スピード感のある環境に身を置いてきましたが、ノバセルは過去1番のスピード感です。そして何より、そのすべてが「顧客のために」という一貫した視点に基づいている点に、大きな共感を覚えています。
私は現在、GTMの初期フェーズとして「ラクスルホームページ」の立ち上げを担当しています。ノバセルに入社直後、そのサービスを「2週間でリリースします」と告げられ、体制もオペレーションも整わない中でのプロジェクト引き継ぎに驚いた経験があります。しかし「まずはリリースして、お客様の声を聞きながら改善していく」というスタンスが徹底されており、ラクスルならではのスピード感と現場主義を体感する良い機会になりました。
社内調整やリスク検討に多くの時間をかけるのではなく、最速スピードで市場に出し、リアルなフィードバックを得ながら勝ち抜いていく。この文化こそが、ラクスルの強みであり魅力だと感じています。
「ラクスルホームページ」は、当初「自分で簡単に作れる」というコンセプトでリリースしましたが、顧客インタビューを重ねる中で「実は多くの中小企業は“プロに任せたい”と考えている」というインサイトに気付きました。そこから方針をピボットし、「ラクスルが無料でホームページを作成する」という形に転換。以降、お客様の反応は劇的に変わり、価値提供の手応えを強く実感できるようになりました。
また、RAKSULグループのカルチャーとして「コトに向かう姿勢」が全メンバーに浸透しており、役職に関係なく建設的な議論ができる点も大きな魅力です。私が所属するチームは、兼務メンバーを含め7名ほどですが、全員がプロフェッショナルであり、事業責任者である私が細かく指示をしなくても、それぞれが責任感とスピード感を持って動いてくれています。
さらに、EQ(Emotional Intelligence Quotient:心の知能指数)が高いメンバーが多く、心理的安全性も非常に高い環境であることも特徴ですね。私自身、これまでのキャリアの中でも特に働きやすく、信頼できる仲間たちと仕事ができています。入社前に思い描いていた「顧客と真正面から向き合い、価値を届ける」仕事が、今まさに実現できている実感があります。
これからチャレンジしたいことをお聞かせください。
今後は、ラクスル内のサービスを「滑らかに」ご利用いただける仕組みをさらに強化し、中小企業のお客様に経営の一部として、自然に選ばれる存在を目指していきます。ここで言う「滑らかに」とは、お客様が必要とするタイミングで、適切かつ気の利いた提案が届き、「だからラクスルを選ぶ」と感じていただける状態を指しています。
具体的には、顧客データを活用したサービス提案の最適化や、事業部を横断したKPI設計、価値訴求の一貫性強化などに取り組んでいきたいと考えています。まずは「ラクスルホームページ」の立ち上げで得た手応えを着実に広げながら、次のクロスセル推進に向けた検証テーマを見つけ、新たな道を切り拓いていくことが私のミッションです。
事業づくりにおいて私が大切にしているのは、「お客様が求めること」だけでなく、「お客様が無理なく受け入れられるレベル」を見極めることです。いくら良いサービスであっても、難しすぎたり、イノベーションが先行しすぎたりすると、お客様には受け入れられません。だからこそ、必要な価値を適切な形で届ける体験設計を常に意識しています。
一方で、「良い体験をつくるだけでは、事業は持続しない」とも感じています。うまくいったとしても、すぐに他社に模倣され、競争が激化するのが現実です。だからこそ、「どうやって参入障壁を築き、競争優位性を持続させるか」という視点が欠かせません。顧客価値とビジネス戦略の両輪を十分検討したうえで、事業を設計・推進していく姿勢を、今後も大切にしていきたいと思っています。
最後に、一言お願いします。
RAKSULグループはいま、複数事業を横断しながら、「お客様にとってより価値ある体験をどう届けるか」というチャレンジに取り組んでいます。その中で、GTMという視点から価値の届け方を磨き込んでいく仕事は、非常にやりがいのある領域だと感じています。私自身も、入社後すぐに顧客の声を起点にサービス価値をピボットし、大きな手応えを感じる瞬間に立ち会ってきました。
今は、「お客様のためになること」を実現しながら、事業としてもしっかりと形にしていくことに、本気で取り組めるフェーズです。だからこそ、「顧客と向き合い、価値をつくる」ことに純粋に向き合いたい方にとって、非常にやりがいのある環境だと思っています。
もし、これから事業づくりに挑戦したいと考えている方がいれば、ぜひ「やったことがないことへのチャレンジ」をおすすめしたいです。新しい経験に飛び込むことで、これまでのスキルや経験が思わぬ形で活きてきたり、見える世界がグッと広がったりします。私自身も、そうして挑戦を重ねながら成長し、キャリアの選択肢を広げてきました。
今後も、新しいことに挑み続ける仲間たちとお互いに背中を預け合いながら、本質的な課題解決に向き合っていけたら嬉しいです。そこに新しい仲間が増えることを、楽しみにしています。