
ラクスル エンタープライズ事業・Sales & Marketingの仕事
エンタープライズ事業が目指すこと
=伝統的な産業をテクノロジーで再構築する
ラクスルは印刷・広告・物流などの業界にテクノロジーを導入し、非効率な構造を変革してきました。しかし、日本には依然として変革が進んでいない領域が多く残されています。その中でも、産業変革の要となるのは大企業の取引構造です。
例えば、購買・調達プロセスは属人化が進み、データが十分に活用されていません。また、長年の取引慣習により新たな選択肢が検討されにくい状況にあります。さらに、Excelや電話・FAXなどのアナログな手法が残存し、非効率な業務プロセスが無駄なコストや時間を生んでいます。
テクノロジーが実現する未来
「取引を変えることで、産業を進化させる」
単なる効率化にとどまらず、新たなビジネス価値の創出を目指します。この領域にテクノロジーを導入し、取引の「当たり前」を変革することで、産業の在り方そのものを再構築することを目指しています。
購買最適化によるコスト削減はもちろん、データ活用による売上向上、ガバナンス強化、CSR・サステナビリティ推進など、企業が抱える幅広い経営課題を解決し、産業全体の新たなスタンダードとなる仕組みを構築することで、日本企業のビジネス成長を支援していきます。
エンタープライズ事業の提供する価値とは
「ラクスル エンタープライズ」は、2021年10月にサービス提供を開始した、法人向け印刷物・販促物発注一元管理サービスです。ラクスルの強みである「小ロットから発注可能で低価格」の特長はそのままに、主に中堅〜大手企業が印刷発注をするために必要な機能を揃えた法人向け印刷物・販促物発注一元管理サービスです。
企業の中では様々な部署や人が印刷物に関わり、様々な課題が発生します。印刷物を通した企業課題はさまざまですが、代表的なものでは「売上高最大化」「コスト削減」「業務効率化、納期短縮」「ガバナンス」などが挙げられます。ラクスルエンタープライズでは、これらの課題を、EC、Saas、BPOを組み合わせたソリューションで解決を目指します。
本サービスが提供する価値は、印刷物の受発注効率化にとどまらず、企業の経営課題を根本から解決することにあります。

エンタープライズ事業立ち上げの背景
ラクスルは2009年創業時より、ネット印刷事業に参入し、その業界におけるシェアを着実に拡大してきました。。従来「印刷は地元の大手企業に任せる」という常識があった中で、「早くて安い」を実現し、サプライチェーンの最適化とコスト削減に取り組んだ結果、2022年にはネット印刷市場で会員数No.1を獲得しました。
ラクスルの成長をさらに加速させるには、従来の市場を超えて新たなマーケットを創出する必要がありました。全体が約3兆円とされる「商業印刷」と呼ばれるマーケットにおいて、その半分以上の1.6兆円もの予算は大企業が抱えており、その可能性に注目しています。
創業から約12年(*1)かけて培ってきたサービスを活かし、エンタープライズの市場に参入していくことで、ラクスルの更なる成長を目指すとともに、「仕組みを変えれば世界はもっと良くなる」という理念を、よりインパクトの大きなマーケットにおいて実現できると考えました。
また、印刷を主軸とする事業を通じて、多様な企業の抱える課題に直面したことも、エンタープライズ事業立ち上げの大きな契機となりました。一般的に企業が課題を一括解決する際は代理店に依頼することが多く、代理店に依頼すれば自社の工数削減や高品質なクリエイティブの制作は期待できるものの、価格や納期の柔軟性に欠け、経営課題の根本解決には至りにくいという問題がありました。そこで、ラクスルは自社の強みである印刷、集客、販促、業務オペレーションを活かし、企業の経営課題を一挙に解決するためにエンタープライズ事業部を立ち上げました。
*1)ラクスルエンタープライズ立ち上げ時点
エンタープライズ事業の組織
エンタープライズ事業を構成する組織は、以下の4部門に分かれています。
- セールス&マーケティング部
- 事業開発グループ
- Designグループ
- エンタープライズ開発部(システム・プロダクト)
今回の記事では、事業内で最大規模かつこれからの拡張幅も大きなセールス&マーケティング部について詳しくご紹介します。

エンタープライズ事業部のセールス・マーケティング組織は、基本的にはTHE MODEL型(*2)の形態で構成されています。
具体的には、図の5つのチームで構成されています。
- Enterprise Group:従業員1,000名以上の企業をクライアントをメインで担当
- Mid Market Group:従業員100~999名の企業をクライアントメインで担当
- Inside Sales Group:熱感の高い良質な商談を創出
- Marketing Group:顧客リストの拡大、リードを獲得・育成
- Sales Ops:営業プロセスの標準化・効率化を推進
*2) マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスに営業組織を分け、各プロセスごとのKPIを設計して営業効率の向上を図る体制のこと

各グループの業務内容
Enterprise Group
Enterprise Groupは、特定領域・産業の従業員数1,000名以上の企業に対して営業活動を行っています。既存顧客のエンゲージメント最大化と、新規アカウントの獲得がこのチームのミッションです。対象となる企業群は事業・組織規模に比例し予算規模が大きくなるケースも多く、1顧客あたりの年間取引金額が億単位となる場合もあります。予算感も大きくなる中では、より顧客の経営課題の芯に届くソリューションとなるべく、深い顧客理解と、密接な関与が求められます。
Mid Market Group
Mid Market Groupは、従業員100~999名の企業を対象に営業活動を行います。Enterprise
Groupとは異なり、領域・産業に制約はなく幅広い顧客の裾野にアプローチするのが特徴です。またEnterprise Groupと比較するとそもそもの顧客対象となる数も多いため、1人あたりが抱える企業数が多いのも特徴です。顧客の課題を引き出しながら、ラクスルエンタープライズのプロダクトが効果的にご利用いただけるポイントがどこにあるのかを様々なユースケースから特定していく必要があります。
仕組みの導入やデジタル化が行き届いていないケースも多いため、顧客の声にならない潜在的なニーズも拾いながら、効率的なご提案に繋げていくことが重要です。
Inside Sales
Inside Salesは、Enterprise GroupおよびMid Market Group向けの商談を作るためのチームです。社内のメンバーだけでなく、外部のパートナー企業とも連携し、顧客課題に対して、ラクスルエンタープライズの価値を訴求し、商談の機会創出をします。獲得した商談は、顧客規模に応じてEnterprise Group、またはMid Market Groupへ引き継がれます。
Marketing Group
Marketing Groupは、良質なリードの獲得と、育成を担当しています。Enterprise Group、Mid Market Group、Inside Salesの営業活動をより効率的に進めるため、ラクスルが解決できる課題を抱えた顧客を見つけ出し、各チームへ橋渡しを行います。
Sales Ops
Sales Opsは、Sales&Marketing部門全体のオペレーションを統括しています。営業プロセスの標準化や効率化を推進し、営業生産性の向上による売上最大化を図るため、あらゆるサポート業務を行っています。
ラクスルならではのエンタープライズセールスの面白さ
Enterprise Groupの面白さ
エンタープライズ事業部のSalesは、コンサルティングに近いソリューションセールスです。顧客の真の課題を見極め、本質的な提案を行うために、IR、組織図、各部署の業務の内容、キーマンの特定など、詳細な情報収集が求められます。顧客と深い関係性を築くことがEnterprise Groupの難しさであり、最大の魅力でもあります。
さらに、単に“既存のプロダクト”を販売するだけでなく、顧客との対話を通して提案内容を柔軟にブラッシュアップしながら、プロダクト自体の改善に繋げる必要があります。顧客にとって最適な提案やアプローチは何か?と追求し続ける点も、Enterprise Groupならではの特徴です。
Mid Market Groupの面白さ
Mid Market Groupは、多くの顧客と接点を持ちながら、効率的に成果を出す能力が求められます。提案を改変し続けるEnterprise Groupとは異なり、すでに確率されたプロダクトを迅速に提案・販売するため、商談の見極めから個客ニーズ確認・スピーディーなクロージング、メールや社内連携などのマルチタスクかつ効率的な営業手法が必要です。どうすれば効率的に成果を上げられるのかと、効率的な営業手法を自ら考え、実践できる点が魅力です。
共通する点
エンタープライズ事業で扱う商材は無形であり、印刷物そのものではなく、印刷物の先にある販促・購買管理などのソリューションを提案しています。営業活動を通じ、業務プロセスの改善や、オフラインマーケティングの変革、ビジネスアウトカムの変革といった、一見印刷とはかけ離れた効果を訴求し、獲得につなげていく営業スタイルは、難しさと同時にやりがいや面白さを感じる点です。
エンタープライズ事業の展望
ラクスルは、2023年から2024年にかけて約100億円の売上増を実現しました。祖業であるラクスル事業は全社売上の91%を占め、年率25.2%の高成長を遂げています。エンタープライズ事業もラクスルの新たな屋台骨として、100億・1000億事業への成長を目指す事業体としてスピード感を持って発展してきています。
実際、エンタープライズ事業は2024年各月で前年同月比平均200%を超える成長を記録しており(*3)、勢いを保ったまま、ラクスルを数千億円規模の企業へと押し上げる一翼を担っています。
*3)2024年1月~2024年10月 売上高実績
また、2024年度末時点でセールス&マーケティンググループのメンバーは約20名ですが、向こう2年間で100名以上の組織へと急拡大する計画です。
現代ではあらゆるものがデジタル化される中、印刷業界のアウトプットだけがアナログのままです。今後、他の領域がさらにIT化・AI化していく中で、関連産業のイノベーションが停滞していては取り残されてしまいます。エンタープライズ事業の成長を通じ、アナログな業界に革命を起こすことを目指しています。
そのため、エンタープライズ事業として取り組むべき領域は多数存在します。すでに立ち上げたサービスはさらに強化し、未進出の領域にも新たな事業を展開することで、事業ポートフォリオの拡大を図っていきます。

あらゆるものがデジタル化されている昨今において、印刷業界のアウトプットはアナログのままです。今後、他の領域がさらにIT化・AI化されていく中で、関連産業のイノベーションが停滞していては取り残されてしまいます。エンタープライズ事業の成長を通じ、アナログな業界に革命を起こすことを目指しています。
そのため、エンタープライズ事業としてやるべきこと、進出すべき領域は多数あります。既に立ち上げたサービスはさらに磨き上げて強化し、まだ進出できていない領域にも新たに事業を展開することで、事業ポートフォリオの拡大を図っていきます。
