3分でわかるラクスル事業
はじまりは2009年。会長の松本が、外資系コンサルティングファームの会社員時代に携わっていたプロジェクトで、印刷業界の非効率さを目の当たりにしたことがきっかけでした。そうして「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンを掲げ、RAKSULを創業するに至りました。
その後、仕事を受けたい印刷会社とユーザーをつなぐことで、ユーザーに早く安く印刷物を提供できる、シェアリングエコノミーの原型とも言える印刷ECサイトをリリース。
以来、多重下請け構造や煩雑な校正入稿プロセスをはじめ、印刷会社とユーザーの2方面に向けて、あらゆる課題を「仕組みを変える」ことで解決し続けています。
Chapter 1
「印刷のシェアリングプラットフォーム」の構築で、産業構造を変革!
RAKSULグループの祖業・ラクスル事業は、「印刷のシェアリングプラットフォーム」を構築し、現在では「印刷・集客支援のプラットフォーム」として多様な印刷関連サービスを提供する事業です。
これまで、長きにわたり多重下請け構造が続いていた印刷業界に対して、ITの技術を持ち込んで産業構造を変革し、「早い・安い・ラク」な商業印刷ができる仕組みをつくってきました。
印刷業界で長年続いていた「多重下請け構造」
日本の印刷業界は、大手2社だけで全出荷額の半分近くを占める寡占市場。大手2社が抱える案件の60〜70%を、およそ3万社にのぼる中小の印刷会社に外注するという、多重下請け構造が長年続いていました。
「多重下請け構造」により、業界が抱えていた課題とは?
印刷業界が抱える主な課題は、季節や生産量によって、手余り状態と手不足状態の差が大きいことでした。印刷会社1社あたりの印刷機の平均稼働率は、50〜60%程度。多重下請け構造によって効率的な生産が実現できないため、稼働は安定せず、事業拡大が望めない構造に陥り、新たな技術・設備への投資も進みづらい環境に置かれていたのです。
課題解決のために、ラクスル事業が構築した「印刷のシェアリングプラットフォーム」の仕組みとは?
ネットを通じて「印刷したいユーザー」と「提携する全国の印刷会社」を最適にマッチングさせることで、ユーザーは安価で高品質なサービスを享受でき、印刷会社も収益の安定化が進むという、Win-Winな取引を実現する仕組みです。
従来、大手2社の下請け仕事を除く案件は、印刷会社の所在エリア近辺での営業活動による受注が主流で、納品に至るまでに、デザイン決め・校正・試し刷りなどの工程をユーザーと印刷会社の営業担当者、工場の現場担当者の間で何度もやり取りする必要がありました。
そこにラクスル事業が構築した「印刷のシェアリングプラットフォーム」のシステムが導入されたことで、受発注から納品に至るまでの工程がスリム化したと同時に、プラットフォームを通じて全国各地の案件に対応できるようになり、稼働の安定につながりました。
こうして、伝統的な産業構造の変革とエンパワーメントを実現し、テレビCMでもお馴染みの「安い・早い・ラク」な商業印刷を広く提供できるようになったのです。
Chapter 2
まだまだある!ラクスル事業が変えてきた印刷業界の仕組み
ラクスル事業では、展開する「印刷・集客支援のプラットフォーム」にかかわる印刷会社とユーザーの課題に解像度高く着目し、これまでにいくつもの仕組みを変えてきました。下記はその一例です。
印刷会社の課題「生産性が上がらない」
通常の印刷では、A4が8枚印刷できるサイズの紙に同じ原稿を複数印刷し裁断します。この場合、一度に印刷できるデザイン数は1つのみで、さらに試し刷り工程で必要以上に印刷することもあります。
これに対しラクスル事業では、複数のユーザーからの別々の受注や、さまざまなサイズの受注を一括で印刷可能な状態に組み合わせて処理できるシステムを自動化しました。併せて、独自の品質基準をつくり、作業の細分化を防いで生産性を上げたり、試し刷りにかかる時間と用紙削減につなげたりしてきました。
ユーザーの課題「入稿後のフローが長く、正確な納品日がすぐに分からない」
従来の印刷ECでは、ユーザーが入稿した後、オペレーターによる「データチェック」という長い時間を要するフローが入るために「印刷物がいつ手元に届くか?」がすぐには分かりませんでした。
そこでラクスル事業では、ユーザーが入稿したデータをわずか数分で自動的にチェックできる「スピードチェック入稿」という独自のシステムを構築しました。
この仕組みにより、ユーザーの待ち時間やオペレーターとの煩雑なやり取りを大幅に短縮することができたと同時に、仕上がりイメージの分かりづらい「折り加工」の商品も3Dでプレビューを見られるため、ユーザー自身が仕上がりイメージを立体的に確認できるようになり、印刷ECで発注することの不安やトラブルの解消にもつながりました。
Chapter 3
現在の注力分野と今後の展望
事業を拡大した現在は、大企業向けサービスやノベルティ、ポスティング、DM、梱包材の領域にいっそう注力。
ラクスル事業は、今後も“はたらく人をラクにするカスタマイズECプラットフォームをつくる”というミッションのもと、効果的なシナジーを生むM&Aや業務提携、事業家人材の育成機会創出を通じ、さらなる事業領域の拡張とグロースを目指してまいります。
※本事業をもっと詳しく知りたい方は、「ラクスル事業の裏側を解説!」記事もぜひご覧ください。