
電話と紙が主流の配送業務を、泥くさく、着実にデジタル化する。
ハコベル事業本部
齋藤 祐介
Yusuke Saito
新卒で戦略コンサルティング会社に就職し、銀行オペレーションの見直し、消費財の価格戦略、合併プロジェクトなど、さまざまな企業向け戦略コンサルティングに携わる。1年間の勤務を経て、東南アジアのファンドグループの中で会社を立ち上げ、農業・食関連の事業を展開する。その後事業をパートナーに譲り、自身はフリーのコンサルタントに転身。その後1年半ほど経て、事業開発担当としてラクスルへ入社。現在はハコベル事業にて運送業界のデジタル化推進リーダーとしての役目を担う。
レガシーな産業なのに、ありえないスピードで成長している
自分でも会社を経営していた経験を持つ私は、かねてからレガシーな産業のプラットフォーマーとして事業をやりたいと思っていました。ラクスルのことは以前から知っており、他の会社のコンサルティングをしながらも、ラクスルの事業モデルを参考に知見を貯めていたのです。実は弊社CEOの松本とは、在籍期間は被っていませんが先輩・後輩の関係で顔見知りでした。
ラクスルにジョインした一番の理由は、とにかく「なぜこんなに伸びているんだ?」という興味に尽きます。なかなか儲からないと言われる印刷領域で、規模もさることながら、利益を出す事業を育てている。物流事業に関しても、P/Lの伸びが自分のシミュレーションした数値以上に劇的に伸びている。とにかく、なぜこんな成長スピードを実現できているのか?そもそもどんな形で、どういう構造で実現できてるのかを知りたいと思ったのです。

運送会社の皆さんが、Webサービスを使いこなせる状態をつくれていなかった
現在はデジタル戦略部の責任者として、物流マッチングプラットフォーム(ハコベル)の拡大をミッションに、大きく二つの業務を推進しています。一つ目が運送会社の獲得と、彼らにWeb活用に慣れていただくためのサポート。二つ目は、AIを使ったマッチングのさらなる最適化です。
私は入社当初、当事業の成長を妨げるある課題点を感じました。一番大きかったのが、運送会社の方々が当社のwebサービス・デジタルに対する理解がまだ浅く、たくさん機能があるにも関わらず、使いこなせていないという状況だったこと。昨年よりこうした課題を解決するために、適切なタイミングで適切な説明を行うためのオンボーディングフローをつくり、より運送会社さんに価値を感じてもらえる仕組みの構築に力を入れています。
この取り組みを担う組織の仕組みがなかったことから、新しく「オンボーディングチーム」をつくり、マッチングのデジタル化と並行して行っています。
少しずつだけど、確実に、物流業界に新しい風が起こっている
もともと物流業界における配車業務のツールは電話と紙が主流で、かなり非効率なところがありました。これは皆が心のどこかで課題に感じながらも、「でも誰にも変えられない」という諦めもあったと私は思うのです。
そこにプロダクトチームが素晴らしいプロダクトをつくり、プロダクトの価値を根気よくかつ泥くさく伝えることで、実際に使っていただける運送会社が着実に増えてきています。これこそ、産業自体がデジタル化していく一助になれているということだと思います。物流領域において「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる。」というラクスルのビジョンを少しは具現化できているのではないか?私自身も大きな手ごたえを感じています。
当事業のチームには、物流やITなど各業界でエースとして活躍し、従来の慣習に引っ張られるのではなく、「古いものを変えていこう」という気概のメンバーが集まっています。ですから非常に強い組織だと思いますね。
ビジョンに心から共感しているから議論が生まれる
先ほどもお伝えしたように、ラクスルにはさまざまな業界でちゃんと成果を出してきた人間が集まり、議論を横に展開できています。縦割りで、バラバラで、表面上は協調しているけれど議論がないとかではなく、どのレイヤーのメンバーもボーダレスに話しているのです。これはラクスルやハコベルチームの凄さであり、誇れる部分だと思っています。
時間軸という観点でも、今月の売上を出すとか、目の前にいるお客様を満足させるといった短期の話をしたかと思えば、1時間後には「じゃあ5年後、10年後の世界を考えよう」みたいな話をしていることも。さまざまな視点で考えながら議論するのは、シンプルなようで、なかなかやり続けるのは難しいです。
ボーダレスに議論するカルチャーは、やはりブレないミッションから来ているのではないでしょうか。「物流の次を発明する」というハコベルのミッションに賛同し、社会的な価値を生み出そうとする人間が自ずと集まってきているのだと思います。
社会からは、物流の次を担うモデルが求められている
市場の観点でいうと、配送取引は今のアナログスタイルのままでは、すでに成り立たなくなりつつあります。なぜなら物流業界では、ドライバーの人材難が深刻な課題となっており、モノを運べる人が圧倒的に不足している現状があるからです。
その課題を解決するためには、求貨求車のマッチング精度を高める必要があるのですが、それを電話と紙でやろうと思うとコストが掛かってしまいます。アナログでできないことをデジタルで繋げ、より最適なマッチングを低コストで実現する。それができれば、実際にドライバーの数は減っているけど、運ぶ量は増えている。そんな世界も実現できると思っています。
私たちがつくろうとしているプラットフォームは、運送会社も、荷主も、ラクスルも、三方良しになれる仕組みです。1日でも早くその仕組みの土台を築き、次の「広げる」というステップに進んでいきたいです。

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