
ハコベル事業部 VPoE
石川 里紀(Riki Ishikawa)
業務パッケージソフトの開発販売会社、ゲーム開発会社に務めた後、mixiに入社。IoT関連事業のスタートアップなどを経験し、2019年にラクスル入社。ラクスル事業本部のエンジニアとして、ポスティング受発注システムのリビルドなどを担当。オペレーションおよび顧客体験の向上に寄与したとして、2020年には社内MVPも受賞した。2020年夏よりハコベル事業本部にてVPoEを務めている。
自分のキャパ以上のチャレンジができることが、マネージメントの魅力
2020年8月に物流事業を展開するハコベルに異動し、現在はVPoEとしてメンバーをまとめる業務が主です。異動当初はマネージャーではなく、DXソリューション事業のエンジニアとしてSaaS事業(ハコベルコネクト)の立ち上げに従事していました。
何社かでマネージメントを経験しましたが、2社前に所属していたmixiでエンジニアマネージャーをやったのが、マネージメント職に携わった始まり。とは言っても、mixiでマネージャーをやっていた頃は非常に手探り感がある中でなんとかメンバーをまとめているような状態で、「腰を据えて組織作りをしたい」とマネージメントへのキャリアパスを考え始めました。もしかすると、組織作りの方向へモチベーションを持つエンジニアは珍しいかもしれませんね。でも、良い組織を作ることで、より大きなことにチャレンジをすることが可能になります。自分のキャパシティだけでは不可能なことを実現できること、それこそがマネージメントの魅力と感じています。
前々職で所属していたスタジオは組織立ち上げのフェーズで、マネージャーがほぼいない状況でした。そのため入社半年でエンジニアマネージャーを任されたので、入社タイミングも良かったのでしょうね。当時の上司からは、「石川はよく人を見ているから、マネージャー職に向いていると思う」と言われたことがあります。新卒当初に入社した会社では開発業務と並行してCSも行なわなければならず、クレーム対応に従事したことも数えきれません。今思い起こすと、それらの経験も現在に役立っているように思います。
ラクスルはビジネスメンバーが非常に優秀で、提示する目標数字は非常に再現性が高いものです。不可能でもないし、低すぎるわけでもない、ちゃんと“やりきれる数字”を出してくれる。ラクスルに限らず、私は「事業部付けの教育担当」や「全社横断のマネージメント職」に誘われることがたびたびありましたが、マネージメントを志向する背景には「事業を育てていきたい」という思いがあるため、もし全社横断でのマネージメントを担ってしまったら、その軸がフワッとしてしまう。だから現在の「ハコベルにおけるVPoE」というのは、非常に良い立ち位置だと感じています。
ラクスルにおける評価軸は、「ロジックをいかにシステムに落とし込めるか」

ラクスルは非常に柔軟な会社だと思います。ですから女性だから無理だろうと判断されたり、逆に女性だからやらせようというような性差を感じたことはありません。VPoEを任されているのも、女性の幹部職を増やそうとかそういうことではなく、純粋に適任者として判断されたのかなと捉えています。
ただ、ラクスルのマネージャーの多くはテックリードも兼任しているため、難易度が高いとは思います。自らの技術面とマネージメント能力を両軸で磨く必要がありますし、気を緩められないというプレッシャーは正直感じていますね。
事業や顧客を正しく理解してシステムに落とし込むには、事業の全体像、顧客の課題やその背景を正しく理解をする必要があります。私たちの事業でもDX化を推進していますが、ただDX化をする、システムの導入をすればいいというものではありません。現場の課題やオペレーションを正しく理解し、検証を重ね、よりベストな業務フローやオペレーション手法をお客様やパートナー様に提案できるのがラクスルの開発のスタイルではないでしょうか。課題への理解や分析・最適化を面白いと思える人でないと、ラクスルで楽しんで働くことはできないのではないかと思います。
特定の顧客に入り込みすぎず、全体最適を求める重要性

ラクスルとハコベルの業務内容を比べると、そもそもどの顧客に向き合うかが異なります。ラクスル事業はto B(ビジネス向け)の事業内容ではあるものの、ECサイトを通じて不特定多数の人向けにサービス提供をしています。一方、ハコベルはよりtoB色の強い事業で、より一つ一つの顧客に向き合う必要があると感じています。ハコベルの提供するサービスは単純にアナログ面をシステム化して工数削減を行うだけでなく、お客様のオペーレションや業務課題を正しく理解し、より良い状態にアップデートをすることが真のミッション。システムだけではなく業界全体を変えていく大きなチャレンジです。まさに弊社のビジョンにある「仕組みを変えること」へトライは難易度が高いですが、まだまだやれること、やらなければならない余白がたくさんあり、熱い事業だと思います。
印刷と物流、それぞれの業界に共通しているのはアナログな側面がたくさん残っていることです。そのオペレーションを根本から変化させるには、丁寧なヒアリングが欠かせません。荷主、運送会社など、あらゆる人から生の声を聞き、業務の解像度を高めることが大事です。ラクスル社内では、各業界のプロフェッショナルなオペレータの方が所属しており、業務の解像度を上げるという手法も一般的ですし、ハコベル事業を立ち上げの際は、松本さん(ラクスル CEO)がトラックに乗って業務の理解に努めた……なんていうエピソードも残っています(笑)。
ただし、個々の顧客の話に深入りして一社に注力しすぎると、システムの全体最適につながらないこともありえます。そのバランスを図るのが難しいですね。よりジュニアなメンバーは一つの顧客に向き合いすぎてしまい、視野が狭くなってしまうということも見受けられます。やはり直接関わった顧客は幸せにしたいですし、それも大切なことですが、中長期を見据えると広い顧客に視野を広げること、全体最適の視点を持てることが大切だと思います。
一人ひとりのキャリアパスを見据え、ラクスルで得られる“機会”を認識させたい

マネージャーとして意識しているのは、人を評価する際に短期的視点で進めないこと。現状だけでなく、もう少し先の未来や、メンバーの個人目標、大切にしていることなどをヒアリングし、中長期的なキャリアパスを描けるように心がけています。本人が中長期で目指す姿に向けて取り組んでいくべきことと、ラクスルで与えられる機会提供が合致する時に一番のパフォーマンスが発揮されると思います。
評価軸は技術力だけではなく、事業やチームの先を見越し、周りを巻き込みながらアウトプットができること、またその質を高めていけることが大切だと考えています。自分一人だけでできることには限界があります。だからこそ、周りを巻き込み「チーム」でより良い事業、プロダクトを作っていける力が大切になってくるのです。
組織作りとしては、全員がリーダー意識を持つチームを目指したいですね。今マネージャーをやらせていただいていますが、マネージャーは単なる役割に過ぎないと思います。
ハコベルは物流のことを知らずに入ってくるエンジニアがほとんどですが、当社のヴィジョンやハコベルのミッションに共感をして入社する方が多く、チーム全体で顧客やパートナーの課題に真摯に向き合っています。ハコベルに限らず、ラクスルが展開する事業は、業界全体へインパクトを出せるような課題にチャレンジをしている、というのが非常にやりがいのある点です。課題解決にやりがいを感じるのなら、ラクスルへの適性もあると思います。
現在中途採用を行なっていますが、2021年には初めてハコベルにも新卒のエンジニアが配属されました。これは全社的にですが、新卒のレベルが非常に高く、インターンやアルバイトを通じ、学生時代にすでに実務経験を積んできている候補者も珍しくありません。選考に際しては技術力そのもの以上に、ビジョンに対しての共感や、事業に対しての興味があるか、最適解を求める志向があるか、といった点を見ています。技術を目的として捉える人は、ラクスルにあまり合わないかもしれません。技術を使って何をやっていくか、世の中や事業にどんなインパクトを残したいかという志向のある人が向いていると思います。
ハコベルの主軸は物流。まさにライフラインのひとつであり、自分の生活にも密接に関わる社会インフラなので、意義を感じる人も多いと思います。社会を変える一助となりたい、自分の力を社会的課題解決に役立てたいと考える方は、ぜひ入社してほしいですね。
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