ラクスル事業本部 プロダクト開発部長
坂上 真大
Masatomo Sakagami
1979年生まれ。LIFULL、じげんを経て、フリーランスエンジニアとして独立。2016年に個人事業主から法人化。2021年9月にラクスル株式会社に入社し、印刷のラクスル事業本部のプロダクト開発部長としてビジネスチーム・開発チーム・運用チームの三位一体での開発を推進。
――もともとフリーランスエンジニアとして活動されており、会社も立ち上げられていたそうですね。
はい。いくつかの会社でエンジニアとしてサーバーサイドを中心に開発に携わったのち、フリーランスになり、そのまま法人化して10年くらい活動していました。ラクスルには兼業制度があるので入社する際に申請しました。今でもその法人で継続して開発もおこなっています。
――フリーランス時代の活動内容を教えてください。
サーバーサイドエンジニアとしての活動が多かったのですが、「何故それをおこなうのか?」「誰にどのような価値を提供するのか?」という問いかけと意識付けを繰り返していたら、いつの間にか業務委託ながらプロダクトオーナーやプロダクトマネージャー(PdM)を務めるようになっていました。

――フリーランスならではの、苦労した経験をお持ちだとか…
フリーランス時代に、知人の紹介で大きな開発案件をいただいたことがありました。その規模の大きさから、他のエンジニアを誘って開発を進めていたのですが、ある日サーバーサイドを担当していたエンジニアが、実はまったく仕事をしていなかったことが発覚しまして…。その後も色々なことが重なってしまい、借金が2000万円くらいにまで膨らんでしまいました(苦笑)。あのときは文字通り死にものぐるいでしたね…。借金はここ数年でだいぶ返せましたが、現在も返済中です(笑)。
――それは大変でしたね。そのような状況で、正社員としてラクスルにジョインしたのはなぜでしょう?
一番の決め手は、ラクスルにはコミュニケーションを大事にする文化があると感じたことでした。印刷のラクスル事業本部でVPoEを務めている高橋からの紹介で、2021年1月からラクスルに参画しました。最初は業務委託だったのですが、半年くらい働いたところで「正社員になりませんか?」とオファーをいただき、熟考の末、正社員としてジョインすることにしました。
その決め手となったラクスルのコミュニケーションを大事にする文化において、特に次の2点でとても自分の考え方に合っていると思いました。1つは事業サイドと開発サイドが同じ目線を持つことを重視していること、もう1つは事業サイドと開発サイドが一方的に物事を進めていくのではなくCSも含めた互助連携の文化があることです。プロダクト開発はPdMだけで進められるものではなく、さまざまな立場の人がプロダクトにかかわりながら皆で顧客価値に向き合い、事業として成り立たせていくことが重要だと思っています。
ラクスルには、これらをOKRや互助連携ミーティングなどで仕組み化し、文化として社内に浸透させ、常により良くしていこうという姿勢があるところが、当時から印象的でした。
――入社後は、三位一体でのプロダクト開発を推進されているとか。こちらについて詳しくお聞かせください。
プロダクト開発において、「Developers」「Users」「Business」という3つを軸にした「プロダクトマネジメントトライアングル」という考え方があるのですが、これを組織として補完し合っていけるよう努めています。BizDevチーム、エンジニアチーム、デザイナー・CSチームがそれぞれ協働して、1つのプロダクトをつくり上げていくような、そんな組織にしていくことを目指しています。

――坂上さんは、PdMをしながら、現在もご自身の会社でエンジニアとしても活動されていると伺っています。そのスタイルを継続する理由は何でしょう?
フリーランスのエンジニアだった頃から、先ほど申し上げたような「私たちが提供すべき価値は何だろう?」という視点を持って、エンジニア以外の人たちとも積極的にコミュニケーションを取っていました。その結果、表面的に目に見える課題だけでなく、ユーザーや関係者が本当に解決したい課題が分かるようになりました。こうした取り組みを続けていった結果、たまたまPdMという役職になっているだけだと思っています。
ですので、今もエンジニアとしての仕事を続けているのは、自分にとっての原点だからですね。エンジニアの仕事の魅力は、動くようになったもの・完成したものを一番最初に見られることだと思っています。デザインを形にし、バグを潰して一番最初に「できた」の瞬間を味わえるのはエンジニアの特権であり、最大の魅力だと思いながら働いてきました。
今はラクスルではPdMとして全体を見る立場ではありますが、自分の原点であるエンジニアとしてのこうした想いも忘れないようにしたいと考えています。
――今後、ラクスルのサービスをどのように良くしていきたいとお考えですか?
印刷ECでも一般的なECに劣らない、UX/UIを実現していきたいと考えています。一般的なECとラクスルの印刷ECを比べたとき、一般のECはカートに入れて決済すれば、あとはモノが届くのを待つだけですよね。しかし、印刷ECの場合は入稿というプロセスがあるため、そうはいかない複雑な部分があります。でも、「印刷ECだから」「入稿があるから」と言い訳せずに、より良いUX/UIの実現に向けて取り組み続けていきたいです。
また、ラクスルという会社は、私が所属している印刷事業だけでなく、物流・広告・情報システム部門とさまざまな事業を立ち上げてきました。だからこそ、印刷事業に限らず、ラクスルがかかわるあらゆる領域でのサービス開発を通じて、今後も広い視野でお客様の課題解決に貢献できたらと思っています。
――最後に、ラクスルへの入社を検討している方々に向けて、メッセージをお願いします。
社内では「染み出す」という言葉がよく使われています。自分の役割や職種にとどまるのではなく、積極的に他の業務を理解して互助連携を大切にする会社なので、幅広い経験を積みたい人にはもってこいな環境だと思います。自分の領域を超えた活動が蓄積していきますし、それが歓迎・評価されますからね。
PdMは、極論を言えば、プロダクト開発に必要なことは何でもやる姿勢が必要だと思います。ときには目立たない仕事も厭わずやらなくてはいけないこともありますが、ラクスルではそれを「染み出し」として評価するカルチャーが根付いている会社です。だからこそ、アグレッシブな、チャレンジングな思いを抱いている人は、ぜひラクスルにいらしていただけたらと思います。

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