
今は、「自分で事業をやっている」と自信を持って言える。
執行役員 ハコベル事業本部長
狭間 健志 / Kenji Hazama
大学院を修了後、新卒で外資系コンサルティング会社に就職。企業経営の戦略コンサルタントとして、製造業・小売業・不動産業などの戦略策定、実行支援などに携わる。8年間の勤務を経て、ラクスルへ。現在は物流シェアリングプラットフォーム「ハコベル」の事業本部長を務める。
転職を決めた理由
外部から意見を言うではなく、自分で事業がやってみたい
以前は外資系のコンサルティング会社で8年間勤務していました。仕事は非常にエキサイティングで勉強になったのですが、一方ではある悩みもありました。コンサルティングは理詰めの部分もあり、アドバイスもきっと正しいと思います。でも30歳を迎えるあたりから、結局は「自分で事業をやった実績がない」という自信のなさを感じ始めました。
仕事環境を変えようと思った際、私は3つのポイントを重視しました。1つ目は、事業全体のP/Lを持ち、売上を爆発的に伸ばす仕事であること。2つ目は、未体験領域であるテクノロジー企業であること。これからはテクノロジーが付加価値の源泉になると思ったからです。3つ目は、実体ある産業に根ざした会社であること。
その後、いろいろと企業を検討する中で、3つのポイントを備えているラクスルに行きついたのです。話を聞いた際に、物流事業のヘッドを探している状況を知り、すぐにジョインが決まりました。

ラクスルでの仕事
物流業界は、改革が起きていない数少ない巨大マーケット
物流業界に関しては、トラックのことも配車のことも完全に素人であり、当初は何の知見もありませんでした。ただし、実体の詳細まではわからなくとも、産業のマーケットとしては大きな可能性を秘めていると感じられました。伝統的かつ社会のインフラを担う産業でありながら、ドライバー不足をはじめとして現在から将来まで大きな課題を内包した産業でもある、そういった産業の課題をテクノロジーの力で解決することに使命感・やりがいを見出しました。言葉は若干乱暴かもしれませんが、不確実なブームに左右される事業で一発儲けるよりも、こうしたインフラであるとか、世の中の役に立つことを継続的に仕組み化していくことで事業が伸び、我々が収益を享受できるのであれば、こんなに素晴らしい事業はないだろうと素直に思いました。
課題しか見えなかったスタート。地道に仕組みをつくってきた
経営陣からは「ハコベルの事業をとにかく成長させ、将来の運送業界のスタンダードにするためにチャレンジしてほしい」と託されました。
私が当社にジョインした頃のハコベル事業は、まだアルバイトも含め10人くらいのチーム。何せ人が少ないものですから、事業のヘッドでありながらもほぼすべての業務をやりました現場のど真ん中にも入っていきました。顧客への営業、内部のオペレーション、人の採用、事業数値の管理などです。人がいない時には、ドライバーさんの免許証のチェックをしたこともあります。P/Lに落としていく作業を行うと共に、チームのプレイヤーとして、みんなと一緒にサービスの仕組みをつくっていく毎日を繰り返してきました。
日々現場で起きる課題と向き合って感じたのは、過去に企業コンサルタントとして見てきた経営は、本当に一部を切り取った経営にしか過ぎないこと。ですから事業統括の仕事は、私自身にとっても大変貴重な経験となっています。
確実に誰かの役に立っているから、自信を持って推進できる
自分が関わる事業を広げることが、世の中の課題を解決する。そう心から思えるのは凄く大きいと感じています。転職活動を通じて気づいたことが、世の中には事業の拡大と社会課題の解決を両立させることの難しさです。自社の事業やサービスの拡大が、世の中の役に立ってると自身を持って言える事業をやりたいと強く思いました。その点、ハコベルの事業は、ドライバーが足りない業界に対して、確実に「取引コストを下げる」「中小企業の生産性を上げる」という貢献ができます。その産業で困っている人たちに自信を持って仕組みを提供できるのは、やはり一番のやりがいではないでしょうか。実際、私たちがつくったシステムを使った運送会社の皆さんから、「こういうのを待っていたよ」「こういう世界を待っていたよ」などとっていただけることも多々あります。さらにはシステムを使うことで、収益が増えた、潤った、コストが下がったなどの生の声を耳にしたりすると、自分たちがやっていることは間違っていないと実感することができます。
今後について
メンバーたちと一緒に、物流の未来にひらける新しい景色を見たい
事業全体としての目標は、1日も早くハコベルを業界標準に持っていくこと。そのために必要なプロダクトをつくり、営業活動を行い、日本の運送を滑らかにするオペレーションを磨くことに尽きます。運送会社様であれば、「ハコベルで仕事をすれば儲かる」、荷主様であれば、「ハコベルに発注しておけば安心だ、安い」という世界を目指し、事業部全体で取り組んでいきます。
私の個人的なテーマとしては、一人ひとりの能力が最大化される環境をつくることです。この事業を推進するためには、さまざまなスキル・個性を持った人間が不可欠。物流業界のプロ・エンジニア・デザイナー・プロダクト設計・事業開発など、個々の能力の総和を拡大させることが大事です。
また、事業のヘッドとして、短期・中期の取り組みを複眼的に見る力が及ばないなど、至らない部分もまだ多くありますので、本当の意味での事業家・経営者に成長していくことも今後の課題です。

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