
キャリア、家族、時間…… 「今大事にしたいこと」を尊重できる働き方を
鼎談のなかでも話題に上った「福利厚生」。そのなかでも近年、ラクスルの育児休業取得率は上がっており、
男性の取得率は6~7割にものぼるという。ここでは、数ある制度のなかで実際に育児休業や介護休業を利用したふたりにその当時を振り返ってもらい、プラス面とマイナス面について語ってもらった。
▼対談参加者

ラクスルCX部 エンジニアリングマネージャー 有澤高介さん(kosuke Arisawa)
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ノバセル事業本部 プロダクト開発部 笹子圭太さん(Keita Sasako)
妻が産前産後でつらい時期
メンバーの協力で乗り越えた
——おふたりはいつ、育児・介護休業を利用されましたか?
笹子圭太(以下、笹子) ふたり目の子どもの出産に合わせて、2021年の2月から2カ月間、育児休業を取得しました。

有澤高介(以下、有澤) 僕の場合、妻が妊娠中に出血して緊急入院し、ベッドから一歩も動けない状態になってしまいました。当時2歳の長女がいて育児をしなければならないので、急遽、出産前に1カ月の介護休業を申請し、出産後は2カ月の育休に切り替えました。

笹子 急遽休暇を取らなければならなかったのは大変でしたね。僕の場合、いつ産まれるのか明確にわかるわけではないので、部のメンバーに迷惑がかからないよう、半年くらい前から仕事の調整や共有を始めていました。加えて、出産前に、妻がつわりがひどくてベッドからまったく起き上がれない状態になってしまったので、上の子の保育園の送迎時間に動けるように朝早くから業務を開始して、17時には終了できるよう、勤務スタイルも変えたんです。フレックス勤務制度もあったので、みんな僕が動ける時間に会議を入れてくれたりして、助かりましたね。
有澤 育児・介護休業の期間って、自分で決めるじゃないですか。笹子さんは何を基準にして決めました?
笹子 新生児が少し長く眠れるようになる2カ月間を目処にしましたね。あまり長くとっても、仕事が心配だったので。

有澤 でも正直、生まれてからじゃないと、赤ちゃんや妻の健康状態がどうなるかわからないですよね。僕もできれば3カ月から半年は休みたいと思っていました。休暇中、チームはかなり大きな機能開発をしていたのですが、その機能の管理画面が間に合わないということで復帰しました。ユーザーに大きな影響を与える機能は1秒でも早くリリースしたいので(笑)。結果的にその機能は社内で表彰されることになり、やりきってくれたメンバーには感謝しています。
笹子 実はうちの子は、喉頭軟化症で呼吸がうまくできず、ミルクも1回に飲める量が少なくて、生後2カ月を過ぎても2時間おきに起きるので、妻はまとまった睡眠時間が取れません。こんな状態で、1日中妻ひとりで新生児を育児すると心身とも厳しいなと思いました。こういう状況になるとは予想ができてなかったので、振り返ると、状況によって、育休をもう少し長めに取得してもよかったなとも思っています。
さまざまな働き方を許容する
柔軟な会社であって欲しい
——育休のメリットはたくさんありますが、休暇を取るにあたって、マイナスになることはありましたか?
笹子 マイナス面は気持ちの問題くらい。メンバーに「迷惑かけちゃってるな」っていう気持ちだけでしたね。
有澤 デメリットは特にないよね。僕はたくさん助けてもらっているので、出産を予定しているメンバーには積極的に育休取ってくださいと言ってます。ラクスルは4人の子育てをするCFOの永見さんをはじめ経営陣も休暇制度を利用しているので、会社として取得しやすい雰囲気もありますし。

笹子 コロナ禍で働き方や意識が大きく変わった今、自分のキャリアデザインが必ず右肩上がりにならないといけないということはないと思うんです。時には育児に時間を取られたり、病気をすることもあって、今大事にしたいことはその時によって違う。休む選択を、みんなが許容できる社会になってくといいなと思います。
有澤 実は、介護休業は社内で最初に取得したのが僕なんです。必要に駆られて制度を調べたところ、国の制度として存在していて、これなら適用できるはずと考えて会社に相談し、適用してもらうことができました。先日も、エンジニアの採用の際にぜひ一緒に働きたいという方がいたんですが、将来的に関西に帰りたいという希望を持っていて、拠点が東京にしかないことでうちへの入社を迷っていました。そこで人事に京都オフィスでもエンジニアが働けるようにならないかと掛け合ったところ、すぐに対応してくれたんです。社員から声が上がったらすぐに吸い上げ、新しい仕組みを作っていくところは、ラクスルの働きやすさにつながっているように思います。今後、バリバリ働きたい人も、週休3日がいい人も会社が柔軟に対応して、それぞれ働き方を選択できるフレキシブルな体制を実現していってほしいですね。